スロットで勝てるようになった友人がみんなニートになった話
大学生のころ、私は副業でスロットをやっていた。
大学、アルバイト、スロット、飲みの繰り返し。
そのころの私は「スロットは勝てる上に、最高に楽しい」と思っていて(今もスロットが楽しいことには変わりないが)、仲のいい友人にはスロットのレクチャーをしていた。
そのころの立ち回りはほぼ設定狙いのみで、のんびり年間200万くらいの収支を挙げていた。
私がはじめたころのメイン機種は「エヴァンゲリオン まごころを君に」。
あのころの設定狙いは「大体エヴァ打っとけば勝てる」と言う感じで(お店によるとは思うが)、はじめたての私でもそこそこ勝てるようになれたのがのめり込むきっかけだったと思う。
その後はART機がメインになって行き、エヴァの時代は終わりを告げたが、それでも勝てる状況だったのには変わりなかった。
大学のころスロットを教え、一緒に打つようになった人間は主に2人。
ほかにも数名いたが、ガチでやっていたのは2人だ。
まずそのうちの1人が死ぬほどのめり込んだ。
私はアルバイトもしていたが、そいつはスロットだけでお金を稼ぐようにしていたので、とにかく超長時間スロットを打っていた。
私たちと行く以外にも一人でほぼ毎日スロットへ行くようになり、多分、私の倍以上は勝っていたと思う。
彼は大学を卒業した後、一旦は就職したのだが、スロットを打つ時間が減る、スロットを打っていたほうがお金が増える、と言って仕事をやめた。
無職となったのだ。
スロット専業と言えば「専業」と言う言葉に引っ張られ、立派な言葉に聞こえるが、要は無職だ。
金は増えるが、無職だ。
スロットで勝つという行為は、何に対しても貢献をしていない。
仕事と言うのはすべてが何かしらの形で金銭の代わりに何かを他者に与えているものだと私は考えている。
スロットで勝つことは、自分のお金が増えることと引き換えに誰も幸せにしていない。
むしろ、ほかのユーザーとお店を圧迫している。
スロットと言う遊戯を提供し、その遊戯の対価にお金をもらうお店。
スロットと言う遊戯を堪能し、その遊戯の対価にお金を払うユーザー。
そのどちらでもない。
もう一人の友人は、就職すらしなかった。
卒業後、地域の軍団グループと連絡を取り合うようになり、今もスロプロとしてずっと活動している。
彼とは長い付き合いなので、今でも交流がある。
彼と話すとき、スロット以外の話はしない。
ほかに建設的な話がない。
金がなくなったら適当に死ぬ、と彼は言っていた。
何とも言えない、空虚さがあった。
私がパチンコ業界で働き始めてからは、1人の部下が金に困っていることを相談してきたので、軽い気持ちでスロットを教えた。
思った以上に反応が良かったので、少々じっくり教えることにした。
彼は勝てるようになったその知識を今度は自分の部下に教えた。
そうすると、二人とも仕事をやめた。
一人は軍団に入り、一人は軍団に入ったものの、金を持ち逃げして行方知らずになった。
軍団に入った彼ともまた、話す機会はたまにあるが「信頼できる友人が誰もいない」と言っていた。
毎日スロットかゲーセンに足を運ぶ彼もまた、空虚さがあった。
別にスロットでお金を稼ぐことを批判するつもりはない。
生活できているのなら好きにすればいいと思う。
しかし、私はそれ以降誰かにスロットを教えることはやめた。
教えた人間が全員仕事をやめてしまったのだ。
私だけが残った。
パチンコ業界自体もすでにパチンコを見限りつつある。
お店によるだろうが、私のお店も含め、多くのお店は別の業種で経営の柱を構築しようと動いている。
今からパチンコやスロットで勝とうと思っている人間は、せめて副業で抑えておくことを個人的にはお勧めする。
仮に無職だとしても、お金を貯めた先に何をするか良く考えて行動したほうが良い。
このブログでは副業で勝てる方法は紹介するが、専業で行うことは決してお勧めしない。